日置矯正歯科ブログ

2024.03.14更新

受け口の矯正は難しいって本当?

受け口とは、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態の事です。
受け口になる場合は、単純に歯の位置がズレているのではなく、かみ合わせや骨格そのものに問題がある場合が多いため、治療が難しいケースが多いです。
特に、下の顎が上顎よりも前に出ている骨格性の受け口(下顎前突症)の場合ですと、外科手術によって下の顎を後方に引き下げる必要があります。

下顎の成長は思春期に起こるので予測が難しい
下顎の成長は思春期に起こるので歯並びの予測が難しいのも、矯正治療の難易度をあげる要因の一つです。
12歳ごろすべての乳歯が永久歯に生え変わったときに歯並びが整っていたとしても、その後、下顎が成長し受け口になってしまう、というケースもあります。
下顎の成長は身長と同じく、ある程度は遺伝で決まるのですが、どの程度成長するのかに関しては予想が難しいのです。
個人での予想はもちろん、たくさんの症例を見ている矯正専門医でもしっかりと予想をつけるのは困難です。

早期治療しても再度治療が必要な場合も
受け口の不安がある場合には、早期に治療を行いましょう。
小児矯正の第一期治療では、乳歯から永久歯に生え変わる期間、顎の成長をコントロールして行い、歯が生えるスペースを確保し前歯の位置を整えます。
第一期治療に加えて、第二期治療ではワイヤー矯正などで全体の歯の位置を整えます。
通常ですと、第一期治療と第二期治療で歯並びは整います。
ですが、受け口の場合は、第二期治療が終わった後で下顎が成長する可能性があるので注意が必要です。

骨格性の場合には、外科手術での治療
下顎が上顎よりも大きく前方に出ている場合には、外科手術で直します。
外科手術によって下顎を後方に引き下げ、上顎と下顎の位置を整えます。
手術は、大学付属病院などの専門機関で全身麻酔下で行い、術後は顎を固定するため食事制限もあります。
マウスピース矯正やワイヤー矯正に比べるとハードルが高い治療と言えるでしょう。

投稿者: 日置矯正歯科

2024.03.05更新

子どもの矯正治療中、注意したいポイント

日常生活で意識すべきこと
食事内容の工夫が重要
矯正治療中は食事の内容に注意が必要です。硬い食べ物や粘着性の高い食べ物は避けるべきです。これはワイヤー矯正の場合、装置が歯に固定されているため、食べ物が引っかかったり外れたりするリスクがあるからです。しかし、子どもの場合、食事は栄養補給だけでなく楽しみも大切です。工夫をして、治療が負担にならないように配慮することが重要です。

甘いものや間食の制限
矯正装置が歯に固定されている場合、食べ物が装置に引っかかりやすく、虫歯リスクが高まります。砂糖を多く含む食べ物は虫歯リスクをさらに高めるため、制限が必要です。特に子どもの場合、外出先でのおやつや間食の内容も気をつける必要があります。

親子でのオーラルケア
矯正治療中は虫歯リスクが高くなるため、オーラルケアが非常に重要です。装置がある場合は、通常の歯ブラシだけでは不十分で、補助的な清掃道具も必要です。治療方法は子どもだけでなく親も理解しておくことが大切です。また、子どもの場合は手先が不器用なこともあり、親が積極的にケアに関わることが重要です。

矯正治療中の痛み対処法
装置による粘膜の痛み
矯正装置を装着した直後は違和感がありますが、時間が経つと慣れてきます。しかし、装置が粘膜に引っかかり痛みや傷が生じる場合は調整が必要です。痛み軽減のために、矯正治療用ワックスを使用します。

歯の移動に伴う痛み
矯正治療中、歯を動かす際には痛みが生じます。この痛みは通常、数日で落ち着きます。痛みが気になる場合は痛み止めを服用して対処することができます。咬み合わせの変化による痛みもありますが、その場合は咬合調整が必要になることがあります。

子どもが訴える痛みへの対応
子どもが痛みを訴える場合、その原因を特定することが難しい場合があります。そのような場合は、かかりつけ医に相談することをおすすめします。

子どもの矯正治療のモチベーション維持
小児矯正治療は、子ども自身が「治したい」という意識が低いことがあります。取り外し式の矯正装置を使用する場合、装置の使用意識を高める必要があります。矯正の目的や必要性を子どもに理解させ、親御様がサポートすることが大切です。

投稿者: 日置矯正歯科

2024.03.01更新

子供の矯正治療

大人の矯正歯科治療は見た目や咬み合わせを改善するための治療
大人の歯科矯正治療は、歯の見た目を整えて咬み合わせを改善し、歯並びを美しくすることが主な目的です。
顎の成長が完了しているため、子供とは違い、歯が動かしにくく、治療期間が長期にわたることも少なくありません。治療では、装置を用いて歯に圧力をかけて移動させる方法が一般的です。
歯を動かすためのスペースが不足している場合は、抜歯を行うこともあります。また、患者様の希望や目標に応じて、治療計画を立てることが大切です。

子供の矯正歯科治療は永久歯を適切な咬み合わせにするための治療
子供の歯科矯正治療は、これから生える永久歯の歯並びを整えることが主な目的です。顎の骨が成長中のため、顎の成長を正しい方向に導きながら、永久歯が適切な位置に並ぶように治療を行います。
乳歯の段階で咬み合わせや永久歯の生える位置を正しく導ければ、永久歯になってからの矯正治療が不要になる可能性もあります。また、大人の矯正治療と比べ、顎の骨がまだ固まっていないため、効果が早く現れる傾向があります。子供の歯は、乳歯だけの時期、乳歯と永久歯が混在する時期、すべてが永久歯に生え変わった時期と、成長に応じて状況が変化するため、治療方法も年齢や骨・歯の成長具合によって異なります。
永久歯が正しく生えるようにスペースを確保したり、上顎と下顎のバランスを調整したりするなど、多様な治療方法と矯正装置が存在します。

子供の矯正には「1期治療」と「2期治療」がある
子供の歯科矯正治療は、治療時期に応じて「1期治療」と「2期治療」の2種類に分けられます。
1期治療は、乳歯のみ、または乳歯と永久歯が混在する子供を対象とし、約6歳から小学校低学年が目安です。2期治療は、永久歯が生え揃った子供を対象とし、小学校高学年以降が目安です。歯科矯正治療は、歯や骨格の成長に合わせて行われますが、1期治療から始めても必ずしも2期治療まで進む必要はなく、歯列の状態によっては1期治療のみで終了することもあります。

1期治療(骨格矯正)
1期治療は骨格の矯正に重点を置きます。この時期は上下の顎の骨が成長しているため、咬み合わせが逆であったり、将来の永久歯のためのスペースが不足していたりする場合の基礎を整える治療が主です。
顎の骨を拡げる装置や咬み合わせを正しい方向に導く装置を使用し、永久歯が適切な位置に生えるための準備を行う期間とみなすことができます。

2期治療(歯列矯正)
永久歯がすべて生え揃い、顎の成長もほぼ完了しているため、歯並びの改善を目的とした治療を実施します。1期治療の後に2期治療を行うこともあります。
通常、上顎骨は9~10歳で、下顎骨は身長の伸びが止まる頃に成長が完了します。成長に合わせて、装置を用いて歯並びを整えていきます。治療方法は大人の歯科矯正治療とほとんど同じで、ワイヤーやマウスピースなどを使用して歯を正しい位置に移動させます。

投稿者: 日置矯正歯科

2024.02.29更新

床矯正で子供に後悔させない!失敗する理由とは?

後悔や失敗の理由と子供の床矯正
床矯正は子供の歯並びを整えるための重要な治療ですが、一部の親が後悔や失敗を感じる理由は何でしょうか。

治療開始のタイミングの誤り
子供の床矯正を成功させるには、治療開始のタイミングが重要です。タイミングが間違っていると、後悔や失敗の原因になります。

成長段階に合わせた治療の必要性
子供の成長段階によって、歯や顎の発育状態が異なります。床矯正は成長に合わせて行われるべきで、成長のピーク時に治療を開始するのが理想です。成長期に治療を行うことで、歯や顎の形成を促し、良い結果が得られます。

早すぎる治療の危険性
床矯正を早すぎる時期に行うと、成長が十分でないために効果が得られないだけでなく、問題を引き起こす可能性もあります。

適切な時期の判断は専門家に相談
子供の床矯正の適切なタイミングは個人によって異なるため、専門家の意見を求めることが重要です。矯正歯科医は歯の発育状態や骨の成長パターンを評価し、最適な治療時期を判断します。早めに専門家の診断を受けることで、不適切なタイミングでの治療開始を避けられます。
適切なタイミングでの治療開始は、子供の床矯正の成功に大きく影響します。このほかにも、「矯正歯科医の選択ミス」や「維持管理の不足」などの要素が関連しており、これらを把握することで後悔や失敗を防げます。

矯正歯科医の選択ミス
子供の床矯正を成功させるためには、信頼できる矯正歯科医を選ぶことが非常に重要です。矯正歯科医の選択にミスをすると、後悔や失敗の原因となります。以下に、矯正歯科医の選択におけるポイントと避けるべきミスについて詳しく説明します。

矯正歯科医の専門性と経験
矯正歯科医の専門性と経験は、治療の成功に直結します。信頼できる矯正歯科医は、専門的な知識と技術を持ち、床矯正に関する豊富な経験を有しています。矯正歯科医の資格や学歴、専門分野への取り組みなどを調査し、専門性と経験を確認することが重要です。

相性とコミュニケーション
矯正歯科医との相性やコミュニケーションは、治療期間中に重要な要素となります。子供の床矯正は数年にわたる長期的な治療ですので、患者と矯正歯科医の信頼関係やコミュニケーションの良さは必要不可欠です。初回の相談時に矯正歯科医とのコミュニケーションや対応を評価し、信頼できる医師を選ぶようにしましょう。

ミスを避けるための注意点
矯正歯科医を選ぶ際に避けるべきミスには以下のようなものがあります。矯正歯科医の選択ミスは後悔や失敗につながる可能性がありますので、慎重に選ぶようにしましょう。

維持管理の不足
子供の床矯正を成功させるためには、治療後の維持管理も非常に重要です。維持管理が不十分な場合、治療結果が損なわれたり、再度の矯正が必要になる可能性があります。以下に、維持管理の重要性と不足のリスクについて詳しく説明します。

維持管理の重要性
床矯正治療は、歯や顎の位置を変えるプロセスであり、一度治療が終了したからと言って終わりではありません。矯正装置が取り外された後も、一定の期間、定期的な検診やケアが必要です。維持管理は、治療結果を安定させ、歯並びの変化を最小限に抑えるために重要です。

不足のリスクとその影響
維持管理が不十分な場合、以下のようなリスクがあります。
– 歯並びの戻り: 歯並びが元の状態に戻る「リバウンド」が起こる可能性があります。矯正装置を外した後も、歯や顎の成長や咬合の変化によって、歯並びが変化することがあります。
– 保持装置の不備: 矯正治療後に使用される保持装置(リテーナー)を適切に使用しない場合、歯の移動や咬合の変化が起こる可能性があります。保持装置の継続的な使用やメンテナンスが重要です。
– 正しいケアの欠如: 歯磨きやフロスの適切な使用、口腔衛生の維持が怠られると、むし歯や歯周病などの口内環境の問題が生じる可能性があります。適切なケアと定期的な歯科医院での検診は、治療結果の維持に不可欠です。

投稿者: 日置矯正歯科

2024.02.26更新

子どもの矯正の二期治療とは?

二期治療とは

小児矯正において永久歯に生え変わった後に行う矯正治療のことです。一期治療が乳歯期から混合歯列期に行われるのに対し、二期治療は永久歯が多く生え揃う前後の混合歯期に行われ、大人とほぼ同じ治療方法が用いられます。永久歯自体を動かし、歯並びや咬み合わせを治す治療が行われます。

一期治療と二期治療の違い

一期治療が顎の成長を促進したり、乳歯の位置を調整することで後の永久歯の生える位置や顎の成長を良好に導く治療であるのに対し、二期治療は顎の成長や乳歯の位置が整った状態での永久歯の位置調整や歯並びの最終調整を目的として行います。

二期治療の開始時期

一般的に12歳前後から始めることが推奨されますが、個人差があり、顎の成長や歯の生え具合に応じて異なります。定期的な検診を受けることで、矯正治療に最適なタイミングを判断します。

治療期間

個人の歯の歯並びの状態や使用する装置、通院頻度によって異なり、平均して2年から3年程度が一般的です。治療が終わった後も、歯の後戻りを予防するための保定期間が必要です。

二期治療で使用する装置

ワイヤー矯正やマウスピース矯正などがあります。ワイヤー矯正は一般的な治療方法で、強い力がかかる部分にも使えますが、ブラケット装置やワイヤーが目立つデメリットがあります。マウスピース矯正は目立たないことが特徴で、取り外し可能な装置を使用して歯を動かしますが、自己管理が大事であり、装置を決められた時間装着しないと効果が得られないデメリットがあります。

投稿者: 日置矯正歯科

2024.02.22更新

小児矯正の種類

1期治療は、歯並びそのものを整えるのではなく、顎の骨の成長を正しく促して将来生えてくる永久歯のための土台を作る治療です。一般的に「歯科矯正=ワイヤー」というイメージがあるかもしれませんが、実際にはワイヤーを使った治療は少なく、将来に備えて土台を作ることが主な目的です。

取り外しができる装置(可撤式矯正装置)
取り外し可能な装置は、歯磨き時に外せるため、口内を清潔に保ちやすいというメリットがあります。ただし、24時間装着する必要がないため、効果が現れるまでに時間がかかることもあります。

床矯正(しょうきょうせい)・プレート
床矯正は、子供の成長に合わせて歯列の幅を少しずつ広げる治療です。歯の大きさに対して顎の骨が小さいことが歯並びの凸凹の原因である場合に用いられます。歯の裏側から装置を取り付け、装置内のネジで調整して段階的に歯が並ぶスペースを拡大していきます。永久歯が生えてからスペースを広げる場合は抜歯が必要になることもありますが、子供のうちに床矯正でスペースを作っておくと、抜歯が不要になることもあります。痛みが少なく、取り外し可能なため、歯磨きの際に支障がないというメリットがあります。ただし、咬み合わせが逆の場合など、床矯正のみで歯並びを整えるのが難しい場合もあります。また、症状によっては毎日半日以上の装着が必要な場合があり、装着時間を守ることが難しい子供もいるかもしれません。

バイオネーター(下顎の前方成長を促進させる装置)
バイオネーターは、下顎の成長が十分でなく、上顎が前に出てしまっている顎の咬み合わせを整える装置です。筋肉の動きを利用して下顎が前方に成長するように促します。装置はワイヤーとプラスチックで構成されており、ネジで装置の幅を調整できます。下顎の成長を促すことが主な目的ですが、横方向にも拡大が可能です。就寝中に装着するため、学校や食事の時間には外すことができ、微調整が可能なため痛みが少ないというメリットがあります。ただし、慣れるまでは違和感があり、就寝中に無意識のうちに外してしまうことがあるため、毎日決められた時間の装着が必要です。最初は睡眠時以外にも装着して慣らすなどの工夫が必要になるかもしれません。

ツインブロック
ツインブロックは、下顎が奥に引っ込んでいることで出っ歯になってしまった場合に使用されます。上下両方の顎に装着し、噛むと上下の装置が滑り台のように滑って下顎を正しい位置に誘導する仕組みです。バイオネーターは一体型の装置ですが、ツインブロックは上下が別々になっており、就寝中に外れにくい特徴があります。重い症状にも適しており、痛みが少なく取り外して歯磨きができるメリットがありますが、就寝中や食事中にも装着する必要があり、子供にとっての負担が小さくないデメリットもあります。

F.K.O(アクチバトール)
F.K.O(アクチバトール)は、下顎の成長が停滞しているために上顎が前に出てしまい、咬み合わせが深すぎたり、出っ歯になったりしている場合に使用されます。上下が一体になった装置を口の中に入れて、咬み合わせを正しい位置に誘導し、噛む機能を利用してズレを改善し、下顎の成長を促します。装着中は話しにくくなるデメリットがありますが、大きな装置の割に子供への負担が少なく、就寝中に装着するため日常生活にそれほど影響がないメリットがあります。

インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、歯型に合わせた透明なマウスピースを装着して歯並びを矯正する装置です。下顎を前方に成長させつつ、歯並びを少しずつ正しい位置に誘導していきます。約6~10歳の間の乳歯が残っている時期から始めることができ、ワイヤー治療より痛みが少なく、透明なので装着していてもほとんど目立ちません。金属を使用しないため、金属アレルギーがある子供でも使用できるメリットがあります。ただし、1日の装着時間が20時間前後と長く、食事や歯磨き以外では常に装着している必要があり、子供によってはストレスに感じる可能性があります。また、6歳臼歯と前歯が2/3以上生えている必要があり、子供の骨格や顎の状態によっては適応外となることもあります。

トレーナーマウスピース
トレーナーマウスピースは、口周りの筋肉をトレーニングして、不正な咬み合わせの原因となっている舌の癖や口呼吸などを改善し、顎と歯列の正しい発育を促す装置です。トレーニングを続けることで舌や頬、唇などの筋肉のバランスを整え、歯と顎を正しい位置に誘導します。

取り外しができない装置(固定式矯正装置)
固定式の矯正装置は常時装着したままなので紛失の心配がありませんが、歯磨きをしても汚れが残りやすいため、磨き残しに注意が必要です。

リンガルアーチ(舌側弧線装置)
リンガルアーチは、主に2つの目的で使用されます。一つは、乳歯が抜けた後に生えてくる永久歯のスペースを確保するためです。乳歯が抜けた後の隙間に隣の歯が移動してしまう習性があり、永久歯が生えるスペースを確保することで、生え変わったときにきれいな歯列を作ることができます。もう一つは、上下の歯の咬み合わせが逆になっている反対咬合の治療です。この場合は前歯部にワイヤーを装着して軽い圧をかける使い方をします。永久歯のためのスペースを確保する目的で使用される場合は、奥歯を土台にしてワイヤーを歯の裏側に通すので、外見からは矯正中であることがわかりにくく、痛みもそれほど強くありません。しかし、装置を外すことができないため、装置が気になって指や舌で触って傷ついてしまったり、歯磨きをしても汚れが残りやすくなったりといったデメリットもあります。

固定式拡大装置(GMD・ペンデュラム・クワドヘリックス)
固定式拡大装置は、奥歯に器具を固定し、歯列を後方や側方に動かす装置です。歯の位置をずらすことでスペースができるので、抜歯をしなくても歯並びを矯正しやすくなります。器具のほとんどは歯の裏側に固定されるので大きく目立つことはありませんが、奥歯に装着する器具がやや見えることはあります。また、歯磨きが難しくなるため虫歯になるリスクが高まったり、食べ物が詰まりやすくなったりといったデメリットがあります。

急速拡大装置
急速拡大装置は、短期間で歯を動かす土台となるスペースを拡大する装置です。効果には個人差があるものの、1ヶ月もかからずにスペースを拡大できることもあります。上顎に装置をつけ、毎日ネジを回して徐々にスペースを拡大していきます。ネジを回す頻度は歯科医師の指示を確実に守る必要があり、自己判断で回転数を変えると、歯が抜けてしまうこともあるので注意が必要です。この装置が適応するのは、上顎骨が成長しきる9~10歳ごろまでの、歯並びの乱れが大きなお子さまが抜歯をせずに矯正したい場合に限られます。また、スペースが拡大したあとも、元に戻らないように装置をしばらくつけておく必要があります。

タングガード
タングガードは、舌で前歯を押さないようにガードする、上顎につける柵のような装置です。話す時やつばを飲み込むときなどに舌を前に突き出す癖があるお子さまは、その習慣から上下の歯が咬み合わなくなったり、口が閉じにくくなったりしやすいので、その改善と防止に使われます。タングガードを装着すると同時に、舌や唇などの筋肉のトレーニングを並行して行うこともあります。

2☓4(ツーバイフォー)や2☓6(ツーバイシックス)
2☓4や2☓6は、部分的に前歯の歯並びを矯正する装置です。奥歯2本を土台にして、前歯4本(もしくは6本)にブラケットという小さなプレートを取り付けてからワイヤーを通します。前歯がまだ乳歯の場合は、前もって歯列を整えておくことで、生え変わった後の永久歯の歯列を整えることができます。また、反対咬合や上顎前突の矯正に使われることもあり、状態によってはヘッドギアやフェイスマスクなどを併用することもあります。歯の表側からワイヤー装置をつけるため、見た目が目立ちやすいデメリットがあります。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.12.13更新

ガミースマイルの定義

ガミースマイルの定義

ガミースマイルとは、笑顔の際に歯ぐきが目立ってしまう状態を指します。英語では "gummy face"(ガミーフェイス)とも呼ばれ、愛嬌があり可愛い印象を与えることもあります。しかし、歯ぐきが目立つことにより、思い切り笑えなくなる場合もあります。

ガミースマイルの原因

口周りの筋肉

上唇を引き上げる筋肉が強いと、唇がめくれ上がり、歯ぐきが目立つことがあります。

歯の大きさ

歯の大きさが平均より小さい場合、歯ぐきが目立ちやすくなります。

骨格や歯並び

上顎が前に出ていたり、上顎の骨が縦に長い場合、歯ぐきが露出しやすくなります。歯並びが悪い場合も原因の一つとなります。

ガミースマイルは女性に多い?

特定のエビデンスはなく、女性に多いとは言えません。ただし、芸能人などでガミースマイルをチャームポイントにしている女性がいるため、女性に多いと誤解されることがあります。男性も美しい笑顔を求めて治療を希望することがあります。

ガミースマイルは子どもに遺伝する?
顎の形などの骨格は遺伝的要因が影響する可能性がありますが、すべてが遺伝が原因であるとは言えません。不正咬合を誘発する指しゃぶりなどの癖も影響を与えますが、早めの対応で予防が可能です。口周りの筋肉を鍛えることによっても、軽度の状態であれば改善できる可能性があります。

ガミースマイルの治療法
ガミースマイルの治療法は、その原因によって異なります。以下は一般的な治療方法です。

口周りの筋肉が原因の場合
筋弛緩作用のある天然のタンパク質注射: 口周りの筋肉を緩め、歯ぐきの露出を軽減することがあります。効果は一時的であり、継続的な治療が必要です。

上唇と歯ぐきの粘膜が原因の場合
上唇粘膜切除術: 上唇と歯ぐきのあいだの粘膜を切除して、歯ぐきの露出を調整します。
歯や歯ぐきの大きさが原因の場合:
歯肉整形や骨整形などの歯周外科手術: 歯や歯ぐきの形状を修正し、歯ぐきの露出を調整します。矯正治療との組み合わせもあります。
ワイヤーによる矯正治療: 骨格や歯並びが原因の場合、ワイヤーを使用して歯の位置を調整し、ガミースマイルを改善します。

外科的矯正治療(保険適用の場合)
顎外科手術: 上顎が前に出ていたり、骨が縦に長かったりする場合、顎の骨を移動させる手術が行われ、噛み合わせの改善と歯ぐきの露出の改善が期待されます。

保険適用について
外科的矯正治療: 通常、外科的矯正治療は高額療養費制度の対象となり、保険適用されることがあります。これは、骨格が大きな原因である場合に行われる手術が含まれます。
自費診療: 一方で、筋弛緩作用のあるタンパク質注射や歯肉整形などは保険適用されず、自費診療となります。矯正治療も、外科的矯正治療を併用しない場合は保険適用外となります。
治療法の選択は患者の状態や希望により異なります。歯科医師との相談を通じて、最適な治療プランを立てることが重要です。

 

投稿者: 日置矯正歯科

2023.12.11更新

歯科矯正治療について 歯科矯正治療の種類ごとのメリット・デメリット 歯科矯正治療にはさまざまな種類があります。以下に代表的な矯正方法のメリットとデメリットを説明します。  1. ブラケット矯正 メリット:効果が高く、複雑な歯並びの矯正に適している。治療中に外すことがないため、効果が持続しやすい。広い症例に対応可能。 デメリット:見た目が目立ち、装置のケアが必要。初期の違和感や口内炎のリスクがある。 2. マウスピース矯正(透明なマウスピース) メリット:見た目が自然で目立たない。装着感が軽く、取り外し可能で食事や歯磨きがしやすい。口内炎のリスクが低い。 デメリット:矯正範囲が限られ、重度の矯正には向かない。取り外しが容易なため、着用時間を守ることが重要。 3. リンガル矯正(舌側矯正)(裏側矯正) メリット:見た目が目立たず、外から分からない。矯正範囲が広く、ブラケット矯正と同様の効果が期待できる。 デメリット:舌側に装置があるため、初期の違和感や発音の影響がある。装置のケアがやや難しい。 適切な矯正方法は個人の歯並びの状態や目標によって異なります。専門の歯科医師と相談し、最適な治療方法を選ぶことが大切です。  歯科矯正治療で注意するポイント 歯科矯正治療において注意すべきポイントは以下の通りです。まず、歯科医師の経験と専門性を確認し信頼性を重視しましょう。治療計画や予想される期間、費用について詳細にカウンセリングを受けることが大切です。また、矯正装置の装着による違和感や口内炎のリスクに注意し、定期的なメンテナンスやアフターケアの重要性を理解しておくことが必要です。治療期間中は指示に従い、治療の成功に向けて協力することが良い結果を得る鍵となります。  歯科矯正治療の保険や支払い方法 歯科矯正治療の保険や支払い方法についての概要は以下の通りです。  保険適用:一般的に、歯科矯正は健康保険の適用外です。ただし、保険が適用される場合もあります。 支払い方法:歯科矯正の費用は一括払いや分割払いの制度が提供されることがあります。一括払いの場合は全額を一度に支払うことになりますが、分割払いの場合は複数回に分けて支払うことができます。分割払いには利息がかかることもあるため、支払い条件やコストを確認して選択しましょう。また、クレジットカードやローンなどの方法も一部の歯科医院で利用可能です。 歯科矯正治療の費用や支払い方法については、歯科医院と事前に詳細な相談を行うことで、自身の経済的な状況に合った選択ができます。

歯科矯正治療の種類ごとのメリット・デメリット

ブラケット矯正
メリット:高い矯正効果、複雑な歯並びに有効。治療中は取り外さないため、効果が持続。
デメリット:見た目が目立ち、ケアが必要。初期の違和感や口内炎のリスクがある。

マウスピース矯正(透明なマウスピース)
メリット:見た目が自然で取り外し可能。食事や歯磨きがしやすく、口内炎のリスクが低い。
デメリット:矯正範囲が限定され、重度の矯正には不向き。着用時間の厳守が必要。

リンガル矯正(舌側矯正)
メリット:見た目が目立たず、ブラケット矯正と同等の矯正範囲。外部からは分からない。
デメリット:舌側に装置があるため、初期の違和感や発音の影響がある。ケアがやや難しい。

歯科矯正治療で注意するポイント
歯科医師の信頼性を確認し、詳細なカウンセリングを受けることが重要。
矯正装置の着用に伴う違和感や口内炎に注意し、定期的なメンテナンスを受けることが必要。
治療期間中は指示に従い、協力することが治療の成功につながる。

歯科矯正治療の保険や支払い方法
保険適用は一般的に限られており、費用は自己負担が一般的。
支払い方法には一括払いや分割払いがあり、分割払いには利息が発生する場合もある。
クレジットカードやローンも一部の歯科医院で利用可能。支払い条件やコストを確認して選択することが重要。

大学生の時期に歯科矯正治療を行う重要性

若さと効果的な治療

大学生の時期はまだ若いため、歯科矯正治療がより効果的に行える可能性が高い。歯や顎の成長に合わせて治療を行うことができます。

将来の歯の健康を保つ

歯並びの不具合を早めに解消することで、将来の歯の健康を保つことができる。歯の不正咬合を放置すると、歯周病や虫歯などのリスクが高まります。
外見の向上と自己イメージ: 歯科矯正治療によって外見が美しくなり、自信を持って笑顔を見せることができる。これが自己イメージ向上に繋がり、コミュニケーションや人間関係に良い影響を与える。

咀嚼機能の向上

正しい咬合や顎の位置を得ることで、咀嚼機能が向上し、食事の摂取や栄養吸収に良い影響を与える。これが将来の健康にも繋がる。

大学生が歯科矯正治療を受けるメリット
学生生活への適応: マウスピース矯正やリンガル矯正など、外見への影響が少ない治療法があり、学生生活に適している。
早期治療の有益性: 早期に治療を受けることで、治療期間が短縮され、負担が軽減される。これが大学生の多忙なスケジュールに合致する。
選択肢の柔軟性: マウスピース矯正やリンガル矯正など、患者が外見への配慮や治療期間に応じて選択肢が豊富。患者のライフスタイルに合わせて選ぶことができる。
大学生が歯科矯正治療を検討する際は、専門の歯科医師と相談し、個々の状態に合わせた最適な治療計画を立てることが重要です。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.12.04更新

マウスピース型矯正の型取り方法は?3Dスキャナーのメリット

 

マウスピース型の歯列矯正治療では、ますます3Dスキャナーが一般的になりつつあります。通常はシリコン印象を使用して歯型を取りますが、近年では3Dスキャナーを使った歯型取りも増加しています。このスキャナーは歯型取りだけでなく、詰め物や被せ物、インプラント治療などにも広く活用されています。

マウスピース型矯正の型取り方法

マウスピース型の歯列矯正治療における型取り方法は主に2つあります。1つは従来のシリコン印象を使用する方法で、もう1つは3Dスキャナーを用いて歯の表面を撮影する方法です。シリコン印象は歯に粘土状の材料を噛ませ、硬化するまで待つ手法で、不快感が生じることがあります。一方で3Dスキャナーは機械を用いて迅速に歯型を取得でき、他の治療にも適用可能です。

シリコン印象では歯に材料を押し付けて型を取り、それに石膏を流して歯型を作ります。一方、3Dスキャナーでは患者さんに口を開けさせ、歯の表面をスキャンします。この方法は簡便で、休憩も可能です。スキャン後はモニターに歯型が表示され、患者さんは治療前と治療後の予想される歯並びを確認できます。歯列矯正のシミュレーションや治療の進捗状況を明確に把握できるため、患者にとって安心感があります。

マウスピース型矯正の型取りを3Dスキャナーで行うメリット

「オエッ」とならない

従来のシリコン印象では、材料が喉に流れて「オエッ」となる可能性があり、不快感が伴います。一方で3Dスキャナーはお口に材料を入れないため、嘔吐反射の心配がなく、スキャンも短時間で終わります。お口を開けずに済むため、不快感が少ないです。

誤差が少ない

シリコン印象は外す際にずれが生じ、人為的ミスが起こる可能性があります。一方で3Dスキャナーは機械を使用するため、誤差やミスが少なく、作成されるマウスピース型が精度高くなります。


精度が高い

3Dスキャナーはシリコン印象よりも高い精度で歯型を取得できます。シリコン印象は変形や劣化により正確なデータが得られないことがありますが、3Dスキャナーは高解像度で口の中の情報をスキャンし、データをコンピューター上で解析できます。このため、高精度のマウスピース型が作成できます。
噛み合わせの強度がわかる: 一部の3Dスキャナーは噛み合わせの強度を示す機能を備えています。噛んだ際に加わる力がモニターに表示され、噛み癖や不均等な力の分布を知ることができます。

治療後の歯並びのシミュレーションが可能

スキャンしたデータを解析し、モニターに治療後の歯並びのシミュレーションを表示できます。患者は治療後の予想結果を確認でき、治療方針の変更や調整が必要な場合に早めに対応できます。治療経過も把握でき、患者のモチベーション向上に寄与します。

マウスピース型矯正の型取りは3Dスキャナーがおすすめ

マウスピース型矯正の型取りをするのなら、3Dスキャナーがおすすめです。
先述したように、「オエッ」となる不快感がなく、短時間で型取りが終わります。さまざまなメリットがあり、患者さん自身の負担も軽減できます。
従来のシリコン印象による型取りが苦手でマウスピース型矯正をためらっていた方は、3Dスキャナーで型取りをしてくれる歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。

 

投稿者: 日置矯正歯科

2023.11.29更新

鏡を見る女性

インビザラインをネットで調べると、失敗や後悔といったワードを見かけることがあると思います。インビザラインで現在、矯正を行っている方、これから矯正を始めようと思っている方へ、矯正に失敗しないためにやってはいけない事をまとめて見ました。

装着時間を守らない
インビザラインアライナーと言われるマウスピースを1日20時間以上付ける必要があります。取り外しが可能なインビザラインゆえに、装着せずに寝てしまったり、朝歯磨きをしたあとに、取り付けるのを忘れてそのまま外出してしまったりなど、1日の装着時間を守れないケースもあると思いますが、装着時間が守れないと計画通りに歯が動かずに、失敗してしまう場合があります。取り外しが出来ることは、インビザラインのメリットですが、反面、自己管理が必要です。万一そのようなケースが起こった場合の対処法などを歯医者さんに確認してみましょう。

マウスピースの交換期限を守らない
インビザラインは、微妙に形の違うマウスピースを一定期間ごとに交換して、少しずつ刃を動かしていきます。交換時期については担当の医師から指示があると思いますが、交換期限をきちんと守れないと、計画通りに歯が動かずに失敗してしまうことになるかもしれません。

アライナーを装着したまま食事を取らない
インビザラインの治療に慣れてくると、食事の度にアライナーを外すのが面倒になり、はめたまま食事を取られる方がいらっしゃるようです。食事ならまだしも、おやつなどを食べる際にもいちいちアライナーを外すのも面倒くさいというのも分からなくはないですが、アライナーをはめたまま食事を取ることは失敗の原因となります。

奥歯が沈んでいく
アライナーは通常、0.7mmほどの厚みがあります。上下の歯にアライナーを装着したまま奥歯を咬み合わせると2つのアライナーの厚み分の約1.4mm程度の厚みのあるものを噛んでいることになります。そのため、奥歯が骨に沈んでいくように力が加わることになります。アライナーを装着した状態で食事を取り、強くかみしめると、普通に食事を摂る負荷に加えて、アライナーの厚みの分の不可が多くかかり、奥歯が徐々に沈んでいきます。そうなると、アライナーを装着していない状態では奥歯が咬み合わない状態になることが考えられます。

アライナーが変形する
アライナーは弾力のある素材ですので、そう簡単には変形を起こすことはありませんが、咀嚼時には非常に強い力が加わります。咀嚼で歯を動かしているときには、アライナーと歯の間にわずかに隙間が生まれ、隙間のある部分に強い力が加われば、変形してもとに戻らなくなってしまう可能性もあります。アライナーが変形すれば、予定通り歯を動かすことが出来ずに、失敗してしまうことに繋がります。

歯とアライナーの間に食べカスが入る
咀嚼で歯を動かしているときには、アライナーと歯の間にわずかに隙間が生まれることに加え、場所によってはアライナーと歯の間にある程度隙間のある場所もあります。そういった場所に食べ物が入り込むと虫歯や歯肉炎などのトラブルの原因となります。

アライナーが変色する
アライナーを装着したまま濃い色の食べ物を食べたり、飲み物を飲んだりした場合アライナーに色が付着してしまう場合があります。色が付着してしまうと逆に目立ってしまうこともあり、せっかくの目立たない透明マウスピースが台無しになってしまいます。水以外の飲み物を飲む場合もアライナーを外していただいた方が良いです。

歯の食いしばり
歯の食いしばりに関しても食事と同様です。歯を食いしばるときには、歯に非常に大きな負荷がかかります。アライナーを装着した状態で、強く歯を食いしばることはできるだけ避けてください。

アライナーが浮いている
インビザラインのブログやツイッター等を見ると、アライナーが浮いているというワードを見かけることがあります。インビザラインでの治療中アライナーが浮いた状態になっていると、計画通りに歯が動かなくなり失敗につながる可能性があります。ちゃんと歯が動いていれば問題ないですが、再度アライナーを作り直す必要がある場合もあります。1mm程度なら問題ない場合が多いですが、新しいアライナーをつけ始めて数日たっても5mm以上浮いているような場合は担当医に確認してみたほうが良いかもしれません。
若干浮いているような場合は、しっかりとはめるように試してみてください。ただ、その際、歯を思いっきり食いしばってはめようとするとアライナーが傷ついてしまうのでNGです。

投稿者: 日置矯正歯科

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