日置矯正歯科ブログ

2023.11.24更新

女性

マウスピース矯正型装置(インビザライン)矯正は歯の美しさと正しい噛み合わせを実現するための効果的な治療方法として知られています。しかし、矯正中には注意が必要なポイントもあります。その中でも、歯周病のリスクについて懸念される方も多いでしょう。
歯周病は歯とその周囲の組織に影響を及ぼす炎症性疾患であり、歯茎の腫れや出血、歯のゆるみなどの症状が現れます。マウスピース矯正型装置(インビザライン)矯正中は、アライナーが歯に密着し、歯と歯茎の間に微細なスペースができることがあります。このスペースは歯垢や食物のたまり場となり、歯周病の原因となる細菌の増殖を促す可能性があります。

歯周病の原因とは? 
歯周病は、歯とその周囲の組織に炎症を引き起こす慢性的な疾患です。歯茎の腫れや出血、歯のゆるみなどの症状が現れ、進行すると歯を失う原因となることもあります。以下では、歯周病の概要と主な原因・リスクファクターについて説明します。

歯周病の定義と症状
歯周病は、歯周組織(歯茎、歯槽骨、歯根膜)に炎症が生じる疾患です。初期の段階では歯茎が腫れたり、歯磨きや食事時に出血することがあります。これを歯肉炎と呼びます。進行すると歯槽骨が破壊され、歯がゆるんだり歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)が形成されることもあります。この状態を歯周炎と呼び、重度の場合には歯を失うことにつながる可能性があります。
 
歯周病の主なリスクファクターは?
歯周病の主な原因は、プラークと呼ばれる細菌の蓄積です。プラークは歯と歯茎の接触面に形成される無色の粘膜で、食物の残渣や細菌が混ざり合っています。不適切な歯磨きや口腔衛生状態の悪化により、プラークは歯肉に炎症を引き起こす原因となります。
 
歯周病のリスクファクターには以下のような要素があります
1. 口腔衛生の不備:不適切な歯磨きやフロスの使用、定期的な歯科検診の欠如など、口腔衛生の習慣が不十分な場合、歯周病のリスクが高まります。
2. 喫煙:喫煙は歯周病の進行を促進する要因となります。
3. 遺伝的要素:一部の人々は遺伝的な要素により歯周病のリスクが高まる場合があります。
4. 免疫系の問題:免疫系が弱い状態では、歯周病にかかりやすくなります。
5. 年齢:年齢の増加とともに、歯周病のリスクも高まります。
 
以上が歯周病の概要と主な原因・リスクファクターです。予防と早期治療が重要です。適切な口腔衛生習慣の確立や定期的な歯科検診を通じて、歯周病のリスクを軽減し、健康な口腔環境を維持することが大切です。
 
歯周病予防のためのケア方法
歯周病は歯と歯茎の周囲の組織に炎症が起こる状態であり、重要な口腔疾患です。適切なケアを行うことで歯周病のリスクを軽減することができます。
 
1. 正しいブラッシング
毎日のブラッシングは歯周病予防の基本です。以下の手順を守って正しいブラッシングを行いましょう。
正しいブラシの選択: 柔らかい毛先の歯ブラシを選びます。
正しい技術: 歯と歯茎の境目に45度の角度でブラシをあて、優しく歯ブラシを動かします。
全面のブラッシング: 歯の表面、内側、咬合面を丁寧に磨きます。
適切な時間: 2分以上の時間をかけてブラッシングを行います。
歯茎のマッサージ: 歯茎にも優しくブラシをあて、軽くマッサージすることで血行を促進します。
 
2. フロスの使用
ブラッシングだけでは届きにくい歯と歯の間のプラークや食物の残りを取り除くために、フロスを使用しましょう。
正しい技術: 適切な長さのフロスを使い、歯と歯茎の間に優しく挿入します。歯に沿ってフロスを動かし、プラークを取り除きます。
日常的な習慣化: 毎日の習慣としてフロスを使うことが重要です。
 
3. 口腔洗浄液の使用
歯磨きやフロスに加えて、口腔洗浄液を使用することでさらなる口腔衛生の向上が期待できます。適切な口腔洗浄液を選び、使用方法に従って利用しましょう。
 
4. 定期的な歯科検診
定期的な歯科検診は歯周病の早期発見や予防に不可欠です。歯科医師は専門知識と経験を持ち、歯周病の兆候を見逃さず、早期に対処することができます。定期的な検診を受け、プロのケアを受けましょう。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.11.17更新

インビザライン

『インビザライン』はワイヤー矯正よりも痛みが少なく、通院の手間も少ないというメリットに目が行きがちですが、インビザライン矯正をする場合には失敗する可能性があることも視野に入れておかなければなりません。
失敗する原因は全て医師のせいにあると考えずに、自分自身でもリスクを極力避けられるよう注意しましょう。


失敗例①:歯根が露出した
矯正によって無理な力を歯にかけることで過剰な歯槽骨(しそうこつ)の吸収を引き起こすことが、歯肉退縮につながり歯根が露出してしまうのです。
歯根が露出すると『ブラックトライアングル』という隙間が形成されてしまうリスクもあり、そうなるとそれを目立たなくするためのさらなる治療が必要になることがあります。
デジタルの治療計画では自由に歯を動かすことが可能ですが、実際のところ歯を支える歯槽骨がない場合や無理な計画をたてた場合にはこのような失敗が起こることが考えられます。

失敗例②:歯列の悪さが悪化した
インビザライン矯正治療は歯列や噛み合わせを良くするための矯正ですが、反対に歯列の悪さが悪化してしまうケースもあります。
特に多く見られるのが正中(口の中心)が合わないケースです。
気になっていた八重歯や出っ歯は綺麗に矯正されて気にならなくなったけど、正中が合わずうまく噛み合わない失敗例が多くあります。
意外とインビザライン矯正が終わるまで気がつかない人も多いようなので、注意が必要です。

失敗例③:噛み合わせが悪化した
また、インビザライン矯正治療で噛み合わせが悪化してしまうケースもあります。
歯科矯正治療とは不正咬合を正して、顎・口腔機能と審美性(見た目)の向上を求めることであり、本来ならば審美性だけが向上して不正咬合が治らないことはありません。
しかし、歯科医師が計画した治療計画やマウスピースに問題があった場合は歯並びだけが良くなり、噛み合わせがより悪化してしまうケースもあるのです。

失敗例④:虫歯・歯周病になった
気をつけたいのがインビザライン矯正治療がきっかけで、虫歯や歯周病になってしまうケースもあります。
その原因は口の中が不衛生な状態になってしまうことで、要因は以下のようなことが考えられます。
・長時間のマウスピース着用
・マウスピースの衛生管理不足
・マウスピースをつけたままの食事
・歯磨きなど口腔内ケア不足
虫歯や歯周病になったと発覚した場合にはそちらの治療が優先されるため、矯正も当初予定していた期間より伸びます。
矯正歯科医院では虫歯や歯周病の治療を実施していない場合もあり、その際は一般歯科で治療を受けなくてはならないので手間がかかりますね。
もし虫歯や歯周病の治療に時間がかかりマウスピースが合わなくなった場合には型取りから・・・といったケースもあります。

失敗例⑤:歯を削りすぎて治療に時間がかかった
インビザライン矯正治療の際、歯を削りすぎたことで本来予定していた治療期間以上に時間が必要になるケースもあります。
矯正治療のなかには歯が動くスペースを確保する一つの方法として、IPR(ヤスリで歯を削る方法)でスペースを確保する場合があります。
この際に『必要以上に隙間をあけてしまったケース』では、予定していた矯正期間では全ての歯が動かなかったりマウスピースの枚数を増やさなければいけなかったりする場合もあります。

失敗例⑥:抜歯で倒れこんだ歯をリカバリーできなかった
インビザライン矯正治療では抜歯で倒れこんだ歯をリカバリーできなかったというケースもあります。
矯正治療には抜歯を伴うこともあり、そうすると奥歯が前に倒れこむリスクがあります。
特にインビザラインでは歯の上にマウスピースが覆いかぶさるので、ただでさえ倒れやすい歯が上からマウスピースに押されてさらに倒れやすくなります。
そのようにして倒れた歯はマウスピースからズレてしまい、矯正治療がうまく進まなくなるのです。
また、奥歯の倒れこみをリカバリーしきれない場合には、結果的にワイヤー矯正との併用が必要になるケースもあるので、抜歯をする際は歯科医師とよく相談すべきです。

失敗例⑦:歯列矯正の効果が薄かった
インビザライン矯正治療では歯列矯正の効果が薄かったと感じるケースもあるようです。

歯列矯正の効果が低い要因
・保定装置をしっかり装着せず後戻りした
・マウスピースを順番通り装着しなかった
・全てのマウスピースを装着しなかった
・一日20時間以上の装着時間がなかった
・途中で虫歯や歯周病になった
上記の原因にはルールを守らなかった場合や歯の後戻りを保定装置をしっかりつけずに後戻りしてしまった場合などが考えられます。
『矯正の効果が薄いと感じるケース』は医師だけの問題ではなく矯正する患者様に問題があるケースも多くあります。
せっかく矯正治療をするのであれば、決められたルールや期間を守ってその治療効果が最大限に発揮されるよう努力していただくことも必要です。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.11.14更新

歯並び

「マウスピース矯正中は水しか飲めなくなるのかな・・・」
「飲み会でお酒も飲めなくなるのかな・・・」
マウスピース矯正を始めたばかりの方の多くは、飲む物を変えなくてはいけないのか、気になっているのではないでしょうか。
実は、食事と同様で、マウスピースを外せばなんでも飲めますが、マウスピース装着中の飲み物には注意が必要です。
そこで今回は、「マウスピースを装着したまま飲むべきでない飲み物」と、「もしもそれらを飲みたい場合はどうすればよいのか」を解説していきます。
この記事を読むことで、マウスピース矯正中の、飲み物による虫歯のリスクやマウスピースの劣化を防ぐことができます。
マウスピース矯正中の飲み物について気になっている方は必見です。

マウスピース矯正中に適した飲み物
マウスピース矯正では、矯正器具を装着したまま飲み物を飲むことができます。
ただし、マウスピース装着中に飲むことができるのは、基本的に水のみです。
水は、無色透明で砂糖も含んでいないため、マウスピースを変色させることもなければ、虫歯のリスクになることもありません。

また、炭酸水も砂糖を含まない無色のものであれば、マウスピースを装着したまま飲むことができます。
お茶や紅茶は種類によって色の濃さが異なりますが、色の薄い種類でも色素が透明のマウスピースを変色させてしまう可能性があります。
マウスピース自体の変色や口内環境の悪化につながらないように、マウスピースを装着しているときはの飲み物は水か炭酸水に限定するようにしましょう。

マウスピース矯正中に適さない飲み物
マウスピース矯正では、矯正器具を装着したまま飲むのには適していない飲み物があります。
ここからは、「マウスピース矯正中に適していない飲み物」を紹介していきます。

甘い飲み物
マウスピースを装着しているときは、甘いものを飲まないようにしましょう。
なぜなら、虫歯の原因になってしまうからです。
マウスピースを装着したまま砂糖を含む甘い飲み物を飲むと、マウスピースと歯の隙間に糖質が蓄積されていきます。
すると、口の中に生息するミュータンス菌が糖質を養分にして酸を作り出します。
この酸が歯のエナメル質を溶かして、表面が欠けていくのが、虫歯のはじまりになるのです。
マウスピース矯正中に虫歯になると、虫歯の治療を優先しなくてはいけなくなるため、矯正の期間が延びてしまいます。
矯正期間を延ばさないためにも、マウスピース矯正中は甘い飲み物を避けるようにしましょう。

色の濃い飲み物
マウスピースを装着しているときは、色の濃い飲み物も避けるようにしましょう。
色の濃い飲み物は、透明なマウスピースに着色してしまう可能性があります。
具体的には、コーヒー、お茶や紅茶、赤ワインが色の濃い飲み物の代表です。
マウスピース矯正は目立たないことで人気の歯科矯正ですが、着色してしまうと、マウスピースが目立つだけでなく、清潔でない印象を他人に与えてしまう場合もあります。
目立たずに矯正を進めるためにも、マウスピース矯正中は色の濃い飲み物には注意が必要です。

温度の高い飲み物
温度の高い飲み物もマウスピース矯正中に適さない飲み物です。
その理由は、温度の高い飲み物はマウスピースを変形させてしまうおそれがあるからです。
矯正用マウスピースは、一般的にポリウレタン樹脂でできており、ポリウレタン樹脂は70℃から変形する場合があります。
そのため、沸騰するほどのお湯はもちろん、沸騰してから時間の立っていない白湯や淹れたてのお茶・紅茶は、マウスピースを変形させる可能性があります。
マウスピースが変形してしまうと、再度マウスピースを作り直さなくてはいけないうえに、新しいマウスピースを待っている間は治療を進めることができず、治療期間が延びてしまいます。
特に、海外で作製されるマウスピースは届くまでに3週間ほどかかってしまうこともあります。
マウスピース矯正の代表的なブランドであるインビザラインのクリーニング剤が、40℃のお湯に溶かすように指示されていることからも、変形しないように、マウスピースを40℃以上の飲み物にさらすのは避けるようにしましょう。

マウスピース矯正中にとりわけ注意が必要な飲み物
マウスピース矯正中に適さない飲み物として「甘い飲み物」「色の濃い飲み物」「温度の高い飲み物」を紹介しましたが、その中でもとりわけ注意が必要な飲み物があります。

フレーバーウォーター
マウスピース矯正中にとりわけ注意が必要な飲み物の1つは、「フレーバーウォーター」つまり「味が付いている水」です。
一般的に「モモ水」や「レモン水」という名前で販売されることのあるフレーバーウォーターは、多くの場合、無色透明ですが糖類が含まれています。
「無色透明の水である」こと理由にフレーバーウォーターを飲むと、糖類が含まれていた場合は虫歯の原因になってしまうのです。
また、食品表示法により、飲料の場合100mlあたり含有量が0.5g未満であれば、「糖質ゼロ」と表記することがあります。
「糖質ゼロ」と表記されていても、ラベルやパッケージの「原材料」欄に「糖類」や「果糖ブドウ糖液糖」などが書かれている場合は、糖分となる材料が使われているので注意が必要です。

スポーツドリンク
マウスピース矯正中はスポーツドリンクにも注意が必要です。
なぜなら、スポーツドリンクは他の清涼飲料水と同程度に砂糖を含んでいるだけでなく、「酸」も含んでいるからです。
運動後の疲労回復効果を狙ってスポーツドリンクに含まれるクエン酸やアミノ酸は、口の中で長時間歯に触れると、歯の表面のエナメル質を溶かしてしまい、虫歯へとつながってしまいます。
通常であれば、唾液によって口内が洗浄されたり、中和されたりすることで、酸は歯表面から取り除かれますが、マウスピースを装着していると、唾液の循環が悪くなり、酸を取り除くことが難しくなってしまいます。
酸と糖で虫歯のダブルリスクを抱えてしまわないように、マウスピース矯正中はスポーツドリンクに注意が必要です。

アルコール
アルコールもとりわけ注意が必要な飲み物です。
その理由は、アルコールには糖質を含むものと含まないものがあるからです。
残念ながらアルコールの糖質の区別は、甘さによって判別できるものではなく、材料や製法によって決まります。
甘くない透明なお酒でも、糖質を含んでいるものは数多くあります。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.11.09更新

女性

マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を装着して歯並びをキレイに整える矯正です。マウスピース矯正に興味はあるけれど、費用が気になる方は多いでしょう。今回はマウスピース矯正の費用相場や、失敗しないための歯医者の選び方について解説します。

マウスピース矯正とは
マウスピース矯正とは、透明なマウスピース型の装置を使って歯並びをキレイに整える矯正法です。
外見上目立たず、周囲からも矯正をしていると気付かれにくいという特徴があります。
また、ワイヤーやブラケット装置を使った矯正と比べて、マウスピース矯正は装置を自分で取り外しができます。
そのため、歯磨きがしやすく、虫歯になりづらい矯正法でもあります。
ただし、どのような歯並びでも治療ができるワイヤー矯正と違い、マウスピース矯正の場合は、歯並びの状態によって治療ができないことがあります。

マウスピース矯正の費用相場
マウスピース矯正の費用相場は、約10万~100万円となっています。
なぜ価格に開きがあるのかというと、矯正治療は歯並びの状態や治療方法、治療期間などによって料金が大きく変わってくるためです。
また、矯正治療は保険が適用されない自由診療です。
クリニックによって費用に違いが生じ、全て自己負担になってきます。
なお、マウスピース矯正には、すべての歯を矯正する全体矯正と、前歯など一部の歯を矯正する部分矯正の2タイプがあります。
全体矯正の費用相場は、約60万~100万円、部分矯正の費用相場は、約10万~70万円となっています。
部分矯正の場合は、歯の一部のみを動かす治療のため、治療期間が短く、全体矯正と比べると費用も安く行えます。

マウスピース矯正治療の流れと治療費用の相場
マウスピース矯正は、治療する過程でも費用が発生します。
ここでは治療前、治療中、治療後でそれぞれどのような矯正治療を行い、費用はいくら かかるのかを紹介します。
1. 治療開始前
治療開始前にかかる費用には、カウンセリングや相談料、検査や診断料などがあります。
費用の相場は、以下のとおりです。

・カウンセリングや相談料:無料~5,000円
・検査や診断料:無料~65,000円

マウスピース矯正治療を始めるにあたり、歯並びや治療についての悩みや相談など患者さんへのカウンセリングを行います。
その後、歯の状態を診るためにレントゲンやCTなどで精密検査を行います。検査結果に基づいて、患者さんごとにマウスピース矯正の治療計画が立てられます。

2. 治療中
治療中にかかる費用は、診察や調整費用、マウスピース矯正装置費用などがあります。
費用の相場は、以下のとおりです。

・診察や調整費用:無料~10,000円(1回あたりの料金)
・マウスピース矯正装置費用:10万~100万円(治療終了までの料金目安)

患者さんの歯型をスキャナーなどを使って採取し、オーダーメイドで矯正治療用のマウスピースを作成します。
矯正用マウスピースは各メーカーから多くの種類が販売されており、特徴や価格帯もメーカーによって異なります。治療計画に従って、数カ月おきにマウスピース矯正装置を新しく付け替え、歯並びを整えていきます。通院時には、歯の状態のチェックや新しいマウスピース矯正装置の歯型採取や調整、メンテナンスなどが行われます。

3. 治療終了後
治療終了後にかかる費用は、リテーナー(保定装置)費用や保定観察費用などがあります。
費用の相場は、以下のとおりです。

・リテーナー(保定装置)費用:無料~60,000円
・保定観察費用:無料~5,000円(1回あたりの料金)

治療終了後は、歯並びが元に戻るのを防ぐためにリテーナーという保定装置を一定期間装着します。
マウスピースが不要になっても、リテーナーを装着している間は、医師の指示に従って定期的に通院し、歯並びの状態などをチェックします。

マウスピース矯正で失敗しない歯医者を選ぶ5つのポイント
マウスピース矯正は、先述でも説明したとおり高額な費用がかかります。
術後の仕上がりにも大きく影響するため、信頼のできる歯医者を選びたいものです。
ここでは、マウスピース矯正で失敗しない歯医者の選び方について紹介します。

1. 矯正治療に必要な設備が整っている
マウスピース矯正を行う上で、口腔内の状態を正確に診断できるかどうかは、クリニック選びで重要なポイントとなります。
大抵のクリニックではレントゲン設備は整っていますが、口腔内の2次元的な情報しか得ることができません。
頭部や口の中を撮影できるセファロレントゲンという設備が整っているところであれば、レントゲンよりも詳しい口腔内の情報を得ることができるため、患者さんの歯並びにより適した治療計画を立ててもらうことができます。

2. 矯正治療の選択肢が豊富
矯正治療の選択肢が多いクリニックであれば、口腔内の状態や治療期間、費用 などにあわせて、さまざまな提案をしてもらえるでしょう。
特に、マウスピース矯正では、歯並びの状態によって治療ができないことがあります。
その場合であっても、矯正治療の選択肢が多いクリニックであれば、他の矯正方法によって治療をしてもらうこともできます。

3. 一般歯科との連携が可能である
矯正専門歯科で矯正治療を受けるのであれば、一般歯科と連携が可能かどうかもクリニックを選ぶ際のポイントになります。
矯正専門歯科では、基本的に虫歯や歯周病治療などは行っていませんので、治療前や治療中に虫歯や歯周病になってしまった場合は、一般歯科で治療を受けなくてはいけません。

4. カウンセリングがしっかりしている
カウンセリング時に、治療内容や期間、費用について分かりやすく丁寧に説明をしてくれるかもチェックすべきポイントです。
マウスピース矯正治療に限らず、どの治療にもメリットがある反面、デメリットもあります。クリニックによってはメリットばかりを強調するところもあります。マウスピース矯正のメリットはもちろん、デメリットもしっかり説明をしてくれるクリニックは信頼ができるでしょう。

5. 自宅や仕事場から通いやすい
マウスピース矯正は、治療が終わるまでに1~3年ほど期間がかかります。
また、治療期間中は、1~3カ月おきに定期的な通院が必要になってきます。
負担をかけずに長く通い続けられるよう、自宅近くや学校、仕事帰りに立ち寄れるクリニックを選ぶのがいいでしょう。
また、駅からのアクセスの良さも、通いやすさを見極める上でのポイントになってきます。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.11.06更新

インビザライン

歯並びに悩みがある人にとって、歯列矯正は悩みを解決する方法のひとつです。しかし矯正をしたいと考えながら、なかなか治療に踏み切れない人もいるのではないでしょうか。できれば矯正器具が目立たないマウスピース矯正がしたいと思っている人もいるでしょう。
歯並びの矯正に関して、「キレイライン」や「インビザライン」というマウスピース矯正があることを耳にしたり、SNSの広告で目にしたりする機会も多くなりました。ただ詳しい説明を聞いたことがなければ、違いがよくわからないかもしれません。
この記事では両者の違いを具体的に説明するとともに、事前に知っておきたい注意点も詳しく解説しますので、どの治療方法にするのか判断するための参考にしてください。

マウスピース矯正とは
マウスピース矯正は透明のマウスピースを装着して歯科矯正を行う治療です。歯の動きに合わせてマウスピースを替えつつ、歯並びを整えていきます。従来のワイヤーを用いる矯正治療とは違い、透明のマウスピースは見た目に矯正していることがわかりにくく目立ちません。
ワイヤーを用いる矯正に比べて口腔内の清潔を保ちやすく、治療中同時にホワイトニングをすることも可能です。着脱が自分でできるところもメリットですが、その分、紛失や破損のリスクがあります。自分で着脱できることで、指示された装着時間を守れないという人も少なからずいて、計画通りの効果が出ずに治療期間が長引くリスクもあります。
マウスピース矯正には「キレイライン」や「インビザライン(マウスピース型矯正装置)」など複数の方法があるため、まずはそれぞれの特徴を詳しく説明します。

キレイラインの特徴
キレイラインで対応できる歯並びの例としては、ガタガタの歯並びや出っ歯、すきっ歯などが挙げられます。かみ合わせも考慮して治療が行われますが、目につきやすい上下6本ずつの前歯12本を重点的に動かす矯正の方法であり、どちらかといえば見た目重視の治療です。
キレイラインで矯正ができるかどうかは歯並びの状態によります。キレイラインでは、抜歯や歯の側面を削るIPRという治療は基本的に含まれていないため、奥歯を大きく動かさなければならないケースは対応できないこともあります。ただしクリニックが対応している場合は、追加治療として別料金で対応してもらうことが可能です。
歯並びの状態にもよりますが、キレイラインではどのくらい歯並びをきれいにしたいのかという患者自身の希望によって、治療完了を自分で決められます。

インビザラインの特徴
インビザラインはマウスピース矯正と呼ばれる治療のなかでも、アメリカの「アライン・テクノロジー社」が作製するマウスピース型矯正装置を用いて行うところが大きな特徴です。治療は歯科医師の治療計画に基づいて行われ、2020年10月時点ではすでに100ヵ国以上の国で900万人以上が治療を受けています。
歯型のデータを取るのは従来のように歯科材料を用いるのではなく、レントゲン写真や口腔内写真、光学スキャナなどのデータを用いて行います。最新のデジタル技術を駆使して作製されるマウスピースは再現性が高く、手作業のように歯科技工士の腕によって仕上がりにバラつきが出ることもありません。
対応できる歯並びはキレイラインと大きな違いはありませんが、見た目だけではなく奥歯も含めたかみ合わせまで重視します。インビザラインのなかでも「インビザライン・ライトパッケージ」は、主に7ヵ月程度(14ステージ以内)で治療が完了するケースが対象です。

キレイラインとインビザラインの違い
キレイラインとインビザラインはともに透明のマウスピースを用いて歯の矯正を行う方法として共通するところがありますが、全く同じものではありません。ここからは両者の違いについて、ポイントを7つ挙げて詳しく紹介します。

対応できる歯並びと適用範囲
キレイラインでは八重歯やガタガタの歯並び、出っ歯やすきっ歯、受け口などの歯並びに対応しています。前歯が閉じない、中心のズレ、かみ合わせが深いなどのケースにも対応していますが、治療の適用範囲は前歯の12本だけです。主に軽度のケースを対象とし、奥歯も含めて動かす必要がある場合はキレイラインでは対応できません。
インビザラインで対応できる歯並びもキレイラインとほぼ同じですが、奥歯を含む全体を動かす必要があるケースも適用範囲です。見た目をきれいに整えることができるのはもちろんですが、抜歯を伴う症例にも対応し、奥歯も含めたかみ合わせも改善できます。
同じインビザラインでも複数の治療方法があります。なかでも「インビザライン・ライトパッケージ」は7ヵ月以内(14ステージ以内)に治療が完了するような症例が対象です。たとえば歯並びの凹凸が軽度の症例や動かしたい歯が1本だけなどの場合、後戻り矯正にも適しています。
「インビザライン・コンプリヘンシブパッケージ」は抜歯が必要なケースも含めて適用範囲が広く、フルで矯正治療ができる方法です。より重度の症例にも対応することができ、奥歯も含む全体的な矯正が必要な症例に向いています。

治療内容
キレイラインもインビザラインも口腔内の状況をもとに、「アライナー」と呼ばれる透明のマウスピースを作製して歯に装着するのは同じです。
キレイラインはハードとソフトの2種類作製して交互に装着します。前歯の12本だけが対象であるため、それ以外の歯は動かないように作るのが特徴です。矯正中は定期的に歯型を採取し、歯科技工士がその都度新しいアライナーを作製します。
インビザラインは一度の歯型採取で矯正完了までの段階をシミュレーションし、段階ごとのアライナーを矯正開始時にすべて作製しておく点がキレイラインと異なる点です。
歯をきれい並べるためのスペースが足りないケースでは、歯列を頬側に移動させる「拡大床」を使った治療を行うことがあります。医師が必要と判断した際に併用をすすめられることがありますが、すべての治療で必ず必要なものではありません。
インビザラインでは歯の表面に「アタッチメント」という突起物を取り付け、アライナーと歯をしっかり固定させることがあります。取り付け方によってさまざまな力を加え、歯を効率的に動かすことが可能です。キレイラインでも追加治療として必要に応じて取り入れられることがあります。

費用の目安
キレイラインの矯正を受ける際、初回費用の目安は2万円、2回目以降はマウスピース2組の作製代として4万円がかかります。トータルの費用は治療の程度や回数によって異なりますが、目安としては軽度ならば税込10~15万円、軽度~中度で15~20万円、中度以上は20~30万円程度です。
矯正治療に加えて虫歯治療を同時進行で行う場合や、抜歯を伴う治療、ワイヤー矯正と併用する場合は別途費用がかかります。金額はクリニックによって異なるため確認しましょう。
自由診療として行われるインビザラインの費用は、検査料や診断料、毎月の処置料なども含めてクリニックによってかなり幅があります。初回のカウンセリングは無料のところが多いため、治療方針や治療の内容、費用について詳しく知りたいときはクリニックに相談してみましょう。

治療期間
キレイラインの治療期間は5ヵ月~1年3ヵ月が目安です。インビザラインの方が一般的に治療期間は長く2~3年程度かかりますが、インビザラインのなかでも軽度の症例向けの「ライトパッケージ」であれば、数ヵ月~1年未満で治療が完了します。
ただし歯並びの状態や、どの程度まで歯並びを改善したいのかという希望は人それぞれ違うため、治療期間には個人差もあります。

通院間隔・歯形採取のタイミング
キレイラインは初回にまず1回目の歯型採取を行い、約3週間後にマウスピースを受け取ります。マウスピースを3週間装着したあと2回目の歯型採取を行います。動いた歯に合わせてその都度歯型の採取を行い、マウスピースを作製するというサイクルです。
通院頻度は歯の動き具合や追加治療を行っているかどうかで異なりますが、目安としては都度払いの場合で1ヵ月半(45日)に2度、コース払いの場合は3カ月に2度です。
インビザラインの歯型採取は最初の1度だけです。採取した歯型は3Dデータ化され、緻密なシミュレーションのもと、アメリカにあるアライン社の工場で治療完了までのマウスピースを一度に作製します。担当医の治療計画に基づいて治療が行われ、通院の間隔は2~3ヵ月に1度です。

開始可能な年齢
成長途中の子どもは、まだ前歯の歯根が完成されていません。そのため、通常のキレイラインの治療ができる対象年齢は男性が16歳以上、女性は14歳以上です。対象年齢に近い場合、歯根が完成していれば治療を開始できますが、まだの場合はもう少し経過観察をしてからになります。
それに対し、インビザラインは永久歯が生えそろう第2期治療と呼ばれる時期だけではなく、乳歯と永久歯が混在する第1期治療の時期(6~7歳)でも可能です。

インビザラインとキレイラインどちらがおすすめ?
キレイラインは前歯の12本を動かすのがメインの治療方法であるため、奥歯のかみ合わせを治療することはできません。抜歯を伴い大きく奥歯を動かす必要があるケースもできない可能性があります。また治療回数があらかじめ決まっているため、十分歯が動く前に矯正治療が終了してしまう場合は追加治療が必要になります。
以上のようなキレイラインの特徴から、奥歯も一緒に矯正しなければ歯並びがきれいにならない場合や、重度の症例の場合はインビザラインがおすすめです。頻繁に通院することが負担になる人にとっては、通院間隔が長いこともメリットになります。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.10.30更新

矯正

失った歯の治療である「インプラント」と歯並びの治療である「歯列矯正」の両方を検討中の場合は、どっちを先に始めた方が良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。歯科治療を行う順番というのは、患者さまの症状やご要望によってその都度、大きく変わるものですが、治療の性質を踏まえると推奨される順序は自ずと決まってきます。そこで今回はインプラントと歯列矯正を行う順番について詳しく解説します。

インプラント治療の特徴
インプラントと歯列矯正は、目的も施術方法もまったく異なる治療法です。冒頭でも述べたように、インプラントは失った歯を回復させるために行うもので、基本的には歯列の一部分だけが治療対象となります。もっともスタンダードなのは、虫歯や歯周病、外傷などで失った歯を補うケースで、顎の骨にチタン製の「人工歯根」を埋め込むケースです。その上にセラミックで作られた「上部構造」を装着して、失った天然歯の見た目や機能を回復させます。その結果、噛んだ時の力を顎の骨で受けとめられるようになり、硬い物でもしっかり噛めて食事が楽しくなります。
ですから、インプラントの比較対象となるのは、歯列矯正ではなく、入れ歯やブリッジなどの補綴装置であるといえます。ただ、インプラントでもすべての歯を失った症例に適応される「オールオンフォー」や「インプラントオーバーデンチャー」などがあり、歯列全体を治療することも可能です。そうした治療法であれば、当然ですが歯列矯正は不要となります。

歯列矯正の特徴
歯列矯正は、今存在している歯の並び方や噛み合わせを改善するための治療です。出っ歯や受け口、乱ぐい歯といった歯並びの乱れに悩まされている方が治療を希望して来院されます。 
ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、いくつかある治療法の中からひとつ、あるいは複数を組み合わせて歯並びを改善していきます。歯列矯正は極めて専門性の高い分野なので、知識や実績豊富な歯科医師に治療を任せると良いです。矯正の専門家であれば、歯並びの見た目だけではなく、噛み合わせまでしっかり治してくれることでしょう。そうすることで、咀嚼能率も上がり、お口や全身の健康維持・増進にも寄与します。

インプラントと歯科矯正
インプラントは、1本あたりで高額な費用がかかる治療法であり、本数が多くなるほど経済的な負担が大きくなります。外科手術を伴うことから、心身にかかる負担もそれなりに大きいため、可能な限り埋入する本数を減らしたいものです。 
実は、患者さまのお口の状態によっては、歯列矯正を併用することでインプラントを埋入する本数を減らしたり、より美しく、健康的に仕上げたりすることが可能となります。そこで重要となるのが今回のテーマでもある「インプラントと歯列矯正の順番」です。 
両方の治療に対応している歯科医院であれば、主治医の判断に委ねることができますが、別々の歯科医院を受診する場合は、まずご自身で考える必要が出てきます。“何となく”で治療の順番を決めてしまうと、最終的な結果に大きな悪影響が生じることもありますので、そこは慎重に進めていきましょう。 
一般的には、歯列矯正を先に始めた方が良いといえます。

歯列矯正を先に始めた方がいい理由
インプラントは、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、固定させる治療法なので、それ以降は動かすことができません。天然歯の歯とは構造が少し異なるため、歯列矯正によって位置の調節を行えないのです。
また、歯列矯正を先に始めることで、不要なすき間を埋めたり、歯を適切な位置に移動したりすることで、インプラントを埋めやすい環境に整えることができます。
先に始めるのが歯列矯正であっても、どのタイミングでインプラントを行うかはケースによって異なります。場合によっては、歯列矯正の真っ只中でインプラント治療を実施して、人工歯根が埋入された状態で奥歯や前歯の歯並びを調整していくこともあるでしょう。 
歯列矯正が完全に終了した時点でインプラント治療を行うこともあり、タイミングの見極めは非常に難しくなります。どちらが患者さまにとって有利となるかはケースによって変わるからです。いずれにせよ歯列矯正を先に行う点においては共通しています。

既にインプラントが入っていても歯列矯正が先
過去にインプラント治療を受けていて、もう既に人工歯根が顎の骨に埋入されている場合でも、原則として歯列矯正を先に始めることになります。歯科医師もインプラントが入った状態で検査・治療計画の立案を行っていくことから、苦労する場面も多々あることかと思いますが、遠慮せずに相談することが大切です。今後もインプラントを追加することもしっかり伝えた上で、最善といえる歯列矯正の方法を提案してもらいましょう。 
ちなみに、インプラントは顎の骨と強固に結合しており、状態が良ければ、ある特定の歯だけを動かす際の固定源として活用できます。

例外的にインプラント治療を先に始めるケース
あくまで例外的ではありますが、歯列矯正よりも先にインプラント治療を始めるケースもあります。これは歯を失った状態を長く放置できないような場合です。そのままの状態で数ヵ月過ごすと、「食べ物が噛めない」「言葉をきちんとしゃべれない」「呼吸がしにくい」などの症状に悩まされる場合は、先にインプラント治療を行って、失った歯を回復させます。 
もちろん、こうした方法を採るのは、歯列矯正で不利に働かないケースに限られます。また、上述したように、インプラントは状態が良ければ歯を動かす際の固定源となることから、歯列矯正に有利に働く面もあります。 
とはいえ、インプラント治療を先に始める場合は、極めて難易度の高い歯列矯正となるため、インプラント治療を担当する歯科医師と歯列矯正を担当する歯科医師の密な連携が必須となることでしょう。連携が上手くいっていないと、期待するような結果が得られなくなります。その点も踏まえた上で、治療を任せる歯科医院選びは慎重に行うようにしてください。 

終わりに
このように、歯列矯正とインプラントは目的も治療法もまったく異なるものであり、両方受ける場合は「順番」が大切になります。治療を受ける順番を間違えると、経済的な負担が大きくなるだけでなく、最終的な仕上がりに大きな悪影響が及ぶことも珍しくありません。どちらも治療を終えるまでにたくさんの苦労をしなければならないものなので、思い描いていた結果が得られなかったら残念ですよね。 
そうした悲しい思いをしないためにも、歯列矯正とインプラントを受ける歯科医院選びは慎重に行うようにしましょう。最善といえるのは、両方に対応した歯科医院ですが、どちらも専門医レベルの治療を提供できる場所は極めて稀といえます。ですから、現実的には歯列矯正とインプラントは別々の歯科医院を受診し、それぞれで治療計画を立案することになります。お口や歯並びの状態によって治療期間も大きく変わるため、2つの歯科医院での連携も重要になってくる点にもご注意ください。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.10.23更新

歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療とは

矯正
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正治療は、ネットなどではインプラント矯正と呼ばれていますが正式な用語ではありません。国際的には歯科矯正用アンカースクリューは、TAD (Temporary Anchorage Device)と呼ばれ、直径1.3~2.0mmのチタン製スクリューです。

歯科矯正用アンカースクリューは歯槽骨に植立し、それを固定源として使用します。植立のときは麻酔を使用します。治療後には無麻酔でも外すことができ、傷も目立たなくなりますのでご安心ください。当院の院長も、患者として歯科矯正用アンカースクリュー経験者ですので、ご不安な方は何でも相談してください。
歯科矯正用アンカースクリューを固定源とすることで、これまでの矯正治療では動かすのが難しかった歯の方向へ歯を移動させることが可能となります。結果的に抜歯が必要とされた歯ならびの方にも、非抜歯で矯正できる可能性が高まります。

このような方に行います
歯ならび全体を後方に動かすことで、スペースが確保できる
歯科矯正用アンカースクリューを使い、歯ならび全体を後方に移動させることで、歯がならぶスペースを確保できます。これまで小臼歯を抜歯して治療したケースでも、抜歯しなくてすむことがあります。

ガミースマイル(笑った時に歯茎が目立つ状態)
歯科矯正用アンカースクリューを使って上の前歯を上方へ引き上げると、笑った時に歯茎が目立たなくなります。歯だけの問題でなく骨などの問題があるため、見極める必要があります。

顎外装置(ヘッドギアなど)をつける時間がない
小臼歯を抜歯して治療する場合、抜歯した隙間は前歯・犬歯のために利用することがほとんどです。そのためには大臼歯から前歯や犬歯を後ろに向かって引っ張るのですが、大臼歯を動かさないために着脱式の顎外装置(口の外につけます)が必要なときがあります。成人はもちろん、中学生以上になると、装置をつける時間が取れない方が多くなります。
代わりに歯科矯正用アンカースクリューを使うと、患者様のご協力なしで大臼歯を動かさないことが可能になります。

歯科矯正用アンカースクリューのメリット
従来の矯正治療よりも治療の選択肢が増える
歯科矯正用アンカースクリューを固定源とすることで、これまでの矯正治療では動かすのが難しかった歯の方向へ歯を移動させることが可能となります。

非抜歯で矯正できる可能性が高まる
歯科矯正用アンカースクリューを使えば、抜歯が必要な歯ならびに対しても非抜歯で治療できる可能性が高くなります。

患者様のお手間の軽減に
歯科矯正用アンカースクリューを使うことで、従来の矯正治療では患者様自身でつけ外しする装置(例:ヘッドギア)を併用することがあります。つけ外しする装置は、睡眠時間を含め1日のうち10時間程度の装着が必要なこともあり、特に成人の方が装着時間を確保することは難しく、治療が予定よりも進まないこともありました。歯科矯正用アンカースクリューは、こういった着け外しする装置の代わりになります。また装置着脱の煩わしさからも解放されます。

動かしたい歯だけ動かせる
歯科矯正用アンカースクリューを固定源とすることで、動かしたくない歯を動かさずに済み、動かす必要のある歯だけを動かすことができます。

歯科矯正用アンカースクリューのデメリット
簡単な外科処置が必要
固定源とする歯科矯正用アンカースクリューを植立するために処置が必要となります。当院で平均15分ほどの施術です。
歯科矯正用アンカースクリューの周りで炎症(腫れ)が起こることも
適切にケアしないと、植立した歯科矯正用アンカースクリューの周りで炎症(腫れ)が起こる場合があります。

再埋入の可能性がある
十分注意していても、顎の骨の厚みなどが原因で植立した歯科矯正用アンカースクリューが緩んだり、抜け落ちたりする場合があります。そうした時には再植立が必要となります(追加費用は必要ありません)。またどうしても生着が悪い場合は、従来の装置で対応することがあります。歯科矯正用アンカースクリューの大きさは直径1.3~2.0ミリ程度なので、撤去後の傷口もすぐに目立たなくなります。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.10.16更新

マイオブレースとは

マイオブレーズ
マイオブレースとは、新しいアプローチを取り入れた歯科矯正装置の一つです。マイオブレースの特徴は、歯並びを整えるだけでなく、舌の位置や食べ物の飲み込み方、鼻からの呼吸を正常にすることが目的な点です。
マイオブレースは、従来の矯正治療とは異なり、軽い力で歯の位置を調整し、顔の形にも自然に影響を与えることができます。美しい歯並びとバランスの取れた顔立ちが手に入るのです。
抜歯やワイヤーによる矯正などを行うことなく、マイオブレースの装置とトレーニングだけで良好な状態を維持できることが多いです。
しかし、装置を着用するだけでは十分な効果は期待できません。大切なのは、舌や口の筋肉、呼吸方法の訓練を行うことです。トレーニングは日常的に継続することが求められ、努力と忍耐が必要といえます。成果には個人差がありますが、早期に始めることでより効果的な結果を得られるでしょう。
マイオブレースのトレーニング方法は比較的シンプルで、段階的に進めます。一貫して努力を続けることで、期待以上の変化を体感できるでしょう。

マイオブレースのデメリット
マイオブレースは、通常の矯正方法とは異なり、矯正装置の装着だけでなくトレーニングも必要です。そのため、こどものモチベーションが非常に重要な治療法といえるでしょう。
ここでは、マイオブレースのデメリットをご紹介します。

こどものやる気が治療結果を左右する
マイオブレースの治療効果は、こども自身の意識と努力に大きく依存します。モチベーションを維持することが必要不可欠といえるでしょう。こどもが日々のトレーニングに飽きる、継続する意欲を失うなどの可能性があります。こども自身に、マイオブレースをする理由を十分に理解してもらうことが大切です。
また、家族のサポートも欠かせません。こどものモチベーションを維持するために、親や兄弟姉妹が一緒に楽しめる方法を見つけること、励まし続けることなどが求められます。
マイオブレース治療の成果は、こどもの意識と家族のサポートに大きく左右されるのです。治療の目的と意義を共有し、日常のなかで楽しく取り組むことが、最良の結果へとつながるでしょう。

毎日トレーニングをしなければならない
マイオブレースのマウスピースは1日1時間、そして就寝時にも装着する必要があります。口の周りの筋力を鍛えるトレーニングや、正しい呼吸法を身につけるトレーニングも欠かせません。
毎日のトレーニングを怠ると、治療の進行が遅れる場合や期待する結果が得られない場合があります。特に、歯の乱れや悪い口の習慣を効果的に改善するためには、治療の初期段階から正しいトレーニングを毎日行うことが極めて重要です。

費用が高額になる
基本的にマイオブレースは自費診療で、健康保険が適用されません。
しかし長い目で見ると、マイオブレースはメリットの多い治療法です。マイオブレースの治療を受けて口腔内の環境を整えることで、将来的にこどもがさらなる矯正治療を必要とした場合、治療期間が短縮される可能性が高まります。トータルの治療費や治療期間を抑えられる可能性があるでしょう。

マイオブレースのメリット
マイオブレースは、歯並びだけでなく舌の位置や呼吸法も改善するため、全身の健康によい影響を与えます。マイオブレースのメリットは、以下のとおりです。

抜歯のリスクが低くなる
通常の矯正治療において、歯が並ぶためのスペースを確保するために一部の歯を抜くことがあります。
しかし、マイオブレースはもともと抜歯を前提としていません。特に、マイオブレースの治療を早期に始めることで、これから生えてくる永久歯のためのスペースをしっかり確保することができます。将来的にもう一度矯正治療を受ける際に、抜歯を避けられる可能性が高まります。
健康な歯を抜くことに抵抗がある方も多いので、歯を失わないことは大きなメリットといえるでしょう。

痛みが少ない
矯正治療と聞くと、ワイヤーやマウスピースを使用して歯を動かす治療法をイメージする方が多いでしょう。ワイヤー矯正は効果的に歯並びを整えることができますが、一定の痛みや不快感を経験する方が多いです。
マイオブレースは、歯を強制的に動かすことを主目的とした装置ではないので、ワイヤーやマウスピース矯正のような痛みを伴うことがほとんどありません。マイオブレースは柔らかい素材で作られているため、装着しても違和感が少ないことが大きなメリットです。

後戻りしにくい
マイオブレースは、単に歯の位置を矯正するのではなく、歯並びが乱れる原因となる不良な癖や習慣を根本から改善するようアプローチします。従来の矯正治療では、治療が終了しても歯がもとの位置に戻る「後戻り」が起きることがありますが、マイオブレースでは後戻りのリスクが大幅に低減されるのです。
マイオブレースの治療後は、通常の矯正治療で必要とされる保定装置(リテーナー)の使用が不要なケースが多いです。長期にわたるメンテナンスの手間やストレスを軽減できることは、大きなメリットといえるでしょう。

全身の健康によい影響を与える
マイオブレースでは、口周りの筋肉を鍛えて、正しい呼吸の習慣を身につけることができます。全身の健康状態や発育にもよい影響をもたらすでしょう。
例えば、正しい鼻呼吸の習慣は、風邪を引きにくくします。酸素の取り込み効率を向上させるため、集中力や体力の向上にもつながるでしょう。正しい噛み合わせを作ることで食べ物をしっかり噛む習慣が身につけば、消化を助けるだけでなく、脳への刺激となり集中力もアップします。
マイオブレースのトレーニングを行って口元の筋肉や顎の位置が正常な状態になることで、自然と姿勢もよくなるでしょう。マイオブレース治療は、全身の健康によい影響を与える可能性があるのです。

人前で矯正装置をつける必要がない
マイオブレースは、ワイヤー矯正のように常時装着する必要がありません。こどもたちが幼稚園や学校、友人との遊びの時間など、日常の活動に支障をきたすことなく利用できます。日中の1時間と就寝時、トレーニング時のみ装着する必要があります。
矯正治療による見た目の違和感などが少ないため、こども自身がストレスを感じず、治療を長期間継続しやすいでしょう。

マイオブレース治療が適さないケース
マイオブレースは、すべてのケースに有効というわけではありません。前歯や奥歯の噛み合わせを大きく変える必要がある場合などは、マイオブレースだけでは十分な効果が期待できないことがあります。
マイオブレースは、基本的に早期の予防矯正治療として考案され、悪い歯並びの原因を取り除くことを目的としています。そのため、特に顎の成長が活発な9歳前後が、最も効果的な治療時期とされているのです。
また、マイオブレースは適応症例が限られています。すべての歯並びや噛み合わせの問題に対応できるわけではありません。別の矯正治療法を選択したほうがよい場合もあるでしょう。

マイオブレース治療の成功に向けて
マイオブレース治療は、口腔内の誤った習慣を正すことから始まる矯正治療です。特に、年齢が上がると誤った習癖や成長パターンが固定されやすいため、早期の治療が推奨されます。
マイオブレース治療の成功には、こどもと親の積極的な治療への参加が欠かせません。日常のトレーニングや、マウスピースの定期的な装着が重要です。
治療を進める際は、マイオブレースの装着時間を守ることも大切です。具体的には、日中1~2時間と就寝時の装着が推奨されています。
10歳前後のこどもを中心に、歯並びだけでなく、口の周りの筋肉の習慣や口呼吸の改善を目的とするマイオブレース治療の効果を最大限に引き出すために、早期のアプローチと継続的なトレーニングが必要です。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.10.11更新

子どもの歯並びが悪い場合、矯正治療を受けさせるべきか、そのままにしておくべきか悩みがちです。結論としては小児矯正をおすすめしますが、治療を見合わせる場合は歯並びを悪化させないことを重視しましょう。この記事では、要注意の歯並びの種類をご紹介したうえで、治療をせずに放置するリスクと、歯並びを悪化させないためのポイントを解説します。

子供

子どもの悪い歯並びの種類5つ
まず「悪い歯並び」とはどのような状態なのかを知っておきましょう。子どもの悪い歯並びの種類は、大きく以下の5つにわかれます。

受け口(反対咬合)
下の前歯、もしくは下顎の全体が飛び出している状態です。骨格の影響を受けて、顎がしゃくれがちになることも特徴といえます。遺伝や口呼吸の癖、下顎を突き出す癖などが受け口になる主な原因であり、発声しにくい・奥歯に虫歯ができやすいといった問題が起こりがちです。

出っ歯(上顎前突)
上の前歯が前方に飛び出した状態です。骨格的な遺伝やアンバランスな発達、下唇を噛む癖、指しゃぶりなどが原因で起こります。出っ歯の子どもは、前歯が唇を押し出すせいで口を閉じにくくなり、唾液の分泌量が減って虫歯や歯周病になりやすいため要注意です。

オープンバイト(開咬)
上の歯と下の歯を噛み合わせた際、前歯に隙間ができて噛み合わない状態です。指しゃぶりやおしゃぶりを長期間続けたり、筋肉が弱かったりすることが原因で起こると考えられます。前歯を使った咀嚼ができないため、奥歯の負担が増えてしまい、歯や顎の骨を痛める可能性があるため注意しましょう。

乱ぐい歯(叢生)
歯の大きさがまちまちなことや、顎が小さいことが原因で、歯の生えるスペースが狭い状態です。歯並びがデコボコ・ガタガタしやすく、見た目でも目立つケースが多いです。歯と歯が重なり合っている部分が多いため、歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病、口臭の原因になります。

すきっ歯(空隙歯列)
歯と歯の間に大きな隙間が生まれている状態です。先天的な理由や、永久歯の本数が足りないこと、歯が小さいことなどが主な原因になります。すきっ歯のまま放置していると、食べ物のごみが歯の隙間に挟まりやすくなり、虫歯・歯周病のリスクを高めることに加えて、発音が悪くなりがちなことも問題点です。

子どもの悪い歯並びを放置するリスク
子どもの悪い歯並びの放置はおすすめしません。後述するように歯並びは悪化する恐れがありますし、それ以外にもいくつかのリスクを高めるためです。子どもの歯並びを放置すべきでない理由をいくつかご紹介します。
虫歯や歯周病のリスクが上がる
歯の生え方が悪いと歯ブラシが届きにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが上がります。受け口や出っ歯の場合、上下の唇が閉じにくくなることにも注意しなければなりません。口を開けたまま過ごす時間が長いと、口内が乾燥し、雑菌が繁殖しやすくなるのです。
食べ物を噛みにくくなる
歯並びが悪いと咀嚼しにくい箇所が生まれてしまい、食べ物を上手に噛みにくくなります。硬い物を食べにくいせいで顎の成長が止まってしまったり、食事を楽しめなくなってしまったりなど、あらゆる面で悪影響が生じるため注意しましょう。
発音がしにくくなる
歯と歯の間に隙間がある場合は、空気が漏れて発音がしにくくなります。とくに受け口の場合は舌の位置まで変わるため、サ行・タ行を上手に発音できません。周囲の人が言葉を聞き取りにくくなるせいで、コミュニケーションに難が生じる恐れがあります。
全身に悪影響がおよぶ可能性がある
歯並びの悪さは口腔内以外にも悪影響をおよぼします。関節に負担がかかるせいで顎関節症や顔のゆがみを起こしたり、首の筋肉が緊張して頭痛・肩こりを誘発したりする恐れがあるのです。また、充分な咀嚼ができないせいで、消化器にかかる負担が大きくなる可能性もあります。

子どもの歯並びを悪化させないためのポイント
子どもの歯並びはさまざまな事情により悪化する恐れがあります。悪化を防ぐためのポイントとして、以下の3点にはとくに注意しましょう。

①口呼吸はやめさせる
口呼吸が癖になっている子どもは多くいますが、口呼吸が歯並びを悪化させる可能性があるため注意しましょう。口が開きっぱなしになっていると、口周りの筋肉が発達しません。それが原因で顎の発達まで妨げられ、歯並びにも影響を与えるのです。顎が未発達だと歯の土台が少なくなり、叢生(そうせい)の原因になることがあります。

②指しゃぶりの癖がある子どもは注意
指しゃぶりを長時間続けると、指の圧力で歯が前方に押し出されてしまいます。また、側方の歯は吸引力により内側に引っ張られ、これが原因で出っ歯と開咬を併発する恐れがあるのです。指しゃぶりの癖が抜けない場合は注意しましょう。
指しゃぶりは1~2歳の時点では習慣的に行いますが、段階的に減り、5歳までになくなることがほとんどです。しかし、5歳になっても指しゃぶりの癖が抜けない場合、歯並びに大きな影響を与える恐れがあるため、やめさせるために治療も検討しましょう。

③食事ではよく噛み口の筋肉を鍛える
食事ではよく噛んで食べるように指導して、口の筋肉をしっかりと鍛えましょう。口の筋肉を鍛えることにより、顎の発育を促進でき健康的な口内環境を生み出せます。歯の土台となる顎の形を安定させることで、きれいな歯並びを整えるベースを作りやすくなるのです。

子どものうちに歯並びを矯正した方が良い理由
子どもの歯並びが悪いと感じたら、小児矯正による歯並びの矯正がおすすめです。大人の矯正と小児矯正は内容が異なり、小児矯正は以下のとおり「1期治療」と「2期治療」にわかれます。
1期治療
3歳~12歳くらいまでの永久歯が完全に生えそろう前に行う矯正です。顎の発育のコントロールで不正咬合を極力減らし、後述する2期治療へとスムーズに移行できます。
2期治療
永久歯に生え変わったあとに行う治療です。1期治療によりベースと整えた状態で歯並びを改善できるため、短期間の治療でも効率良く歯列矯正しやすくなります。
歯列矯正は大人になってからでもできますが、1期治療から始めることで時間やお金を節約しやすい点は小児矯正ならではのメリットです。子どもの歯は大人よりも歯が動きやすく、矯正による負担も減らせるため、歯列矯正はなるべく早く始めることをおすすめします。

投稿者: 日置矯正歯科

2023.10.07更新

「子供の歯並びを治したいけど、失敗したくない」
「どのような失敗事例があるのか知りたい」
子供の歯並びが気になり、小さいうちに治してあげたいけど、高額な費用を払うからには失敗したくないですよね。
実際に小児矯正をおこなった方の意見には「歯並びが悪化した」「抜歯をして後悔した」など、悪評を目にすることもあります。
今回は、小児矯正で失敗したケースと失敗しないための対策を紹介します。
お子様の小児矯正を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

小児

小児矯正が失敗したケース
小児矯正が失敗してしまうケースは7つあります。
実際に失敗した事例を紹介していきます。

治療が終わらない
矯正治療は長期間を要するため、治療期間が長引くことがあります。
治療開始前の説明では2~3年で完了予定だったにも関わらず、5~10年治療を続けているケースもあります。
矯正を始めて歯並びが改善されていれば問題ありませんが、治療前と比較して歯並びが改善されていない場合は注意が必要です。
「不十分な検査」「床矯正によるトラブル」「矯正治療を始めるタイミングが不適切」「治療計画の見直しがされなかった」などの原因があります。
また、お子様の悪癖(指しゃぶり、舌癖など)の影響から治療期間が伸びてしまうこともあります。
歯並びの改善を実感できない場合は、セカンドオピニオンを受けるべきでしょう。

予期せぬ抜歯があった
予期せぬ抜歯を強要させられることがあります。
抜歯の必要性を患者様が判断するのは難しいかと思いますが、十分な検査や説明がない状態で抜歯を勧めてきたら要注意です。
歯科医師の判断で、抜く必要のない歯を抜いてしまうケースもあります。
矯正治療では必ずしも抜歯が必要とは限りません。
抜歯した歯を元に戻すことはできないのでよく検討したうえで判断しましょう。
レントゲン写真による説明がない場合は、担当医に説明を求めるようにしてください。

噛み合わせの悪化した
歯並びは改善されたとしても、噛み合わせが悪化してしまうケースです。
見た目の審美性がよくなったとしても、噛み合わせの機能が悪化してしまうことも。
子供の噛み合わせは、乳歯の1番奥にある歯が、上下の位置でほぼ一致しているかどうかで判断します。
しっかり計画を立てたうえで治療を進めないと、不正咬合が進行して噛み合わせにズレが生じてしまいます。
歯並びだけを無理やり治そうとすると、噛み合わせのズレが生じてしまうため、治療計画と治療方針をしっかり立て、確認することが大事です。

後戻りが起きた
矯正後に後戻りが起こるケースもあります。
後戻りとは、矯正によって動かした歯が元の位置に戻ってしまうことです。
矯正治療後に、動かした歯を保定するためにマウスピースを装着しないと、後戻りする確率が高まります。
小児矯正は、歯を正常な位置に動かしつつ、歯を支える歯槽骨を育てるため、治療が長期間化することも。
しかし、正しい治療を続ければ、若いうちに治療をすることで、後戻りはしにくくなります。

歯茎が下がってしまった
小児矯正で歯茎が下がってしまった事例もあります。
小児矯正で歯茎が下がってしまう原因は、力のかけすぎです。
矯正では歯に力を加えることで、歯槽骨の吸収と再生を起こして歯を動かします。
適切な力であれば吸収と再生のバランスが保たれますが、力をかけすぎると歯肉退縮が起こり歯茎が下がって見えてしまいます。
歯茎が下がるといくつかデメリットも。
・歯が長く見える
・老けた印象となる
・歯と歯の間に隙間ができる
・虫歯ができやすくなる
・知覚過敏になりやすい
適切な力が加わっているかどうかを定期観察して、過度な力がかかっている場合は矯正器具を見直す必要があります。

虫歯になってしまう
小児矯正中に虫歯になってしまうケースもあります。
虫歯になる原因は、口腔内環境の悪化です。
磨き残しによる細菌の増加や、糖質が含まれる過度な食事など、さまざまな要因から虫歯になってしまいます。
虫歯の程度がひどいと、小児矯正の中止が必要になることもあります。
虫歯治療と並行して、小児矯正を進めることはできないためです。
また、虫歯が悪化すると歯を削る必要があり、歯の形状が変わってしまいます。
マウスピース矯正の場合は、歯の形が変わることによって、マウスピースを再作製しなければいけません。
小児矯正にかかる費用や期間が増えるため、治療が思うように進まなくなってしまうでしょう。

拡大床のトラブルが起きた
拡大床によるトラブルが起こることもあります。
拡大床とは、顎の成長を利用して顎を広げるための装置のことです。
上顎や下顎の歯を外側に移動することで、歯を移動させるスペースを確保できます。
しかし、実際には、拡大床を使ったとしても顎の骨は広がらず、歯だけが斜めに広がってしまうことも。
なかには出っ歯になってしまい、矯正前よりもひどい歯並びになってしまうケースもあります。

小児矯正で失敗しないための対策
次に小児矯正で失敗しないための対策を3つ紹介します。

十分な検査と説明を受ける
治療前の検査を十分におこないましょう。
矯正治療前の精密検査と、検査結果に基づく診断や説明が不十分のまま治療を開始してしまうケースがあります。
十分な検査と説明をしたうえで、治療を進めてくれる医院であれば問題ありません。
しかし、検査や説明が不十分な歯科医院は、矯正治療を開始したあとの経過が不透明なまま治療が進んでしまうことも。
また、矯正治療では「セファロ」と呼ばれるレントゲン写真の撮影をもとに、患者様の歯列を診断したうえで治療計画を立ててきます。
数年先までの治療計画が不透明な場合は治療が長期化する恐れも。
検査前に適切なプロセスを省略してしまうと、噛み合わせの悪化や歯列にトラブルが生じる要因になってしまいます。
特に、矯正治療の期間や矯正治療の理解が乏しいまま、治療を開始してしまうのは危険です。
矯正治療は専門性が高い治療となるため、一般歯科医の矯正治療を受けるのではなく、矯正治療を専門とする歯科医院で検査と説明を受けるようにしましょう。
患者様が正しい知識を持って、矯正治療を始めることが失敗を防ぐポイントとなります。

抜歯の必要性の確認
矯正治療開始前に抜歯の有無を確認しておきましょう。
必要がある抜歯であれば問題ありませんが、異常な場所から生えていることを理由に、抜歯をしてしまうケースもあります。
担当医から「なぜその歯を抜く必要があるのか」を明確に説明うけたうえで、お子様と保護者様が納得したうえで抜歯をおこないましょう。
小児矯正は抜歯をせずに矯正できる可能性も十分にあります。
一度抜歯した歯は生えてこないため、抜歯を勧めてきたときは、しっかり検査や説明を受けるべきです。
もちろん抜歯自体が悪いことではないため、矯正治療に必要な抜歯であれば、最終的に歯列がキレイになる要因となります。
歯科医に抜歯を推奨されたからといって、安易に抜歯すると後悔することもあるため、十分に説明を受けるようにしてください。

歯科医院の選び方
小児矯正を失敗しないためには、歯科医院の選び方も重要です。
小児矯正は専門性が高い治療になるため、歯科医師の経験や実績も影響します。
歯科医院のなかには、小児矯正の経験が不足しているにも関わらず治療するケースもあります。
小児歯科であっても、小児矯正が得意とは限りません。
矯正治療を得意とする歯科医院での治療を受けるようにしましょう。

投稿者: 日置矯正歯科

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